中津川アイスロード 部活動(調査&登攀)

中津川アイスロード 部活動(調査&登攀)
キングダムハーツ全景。2022年は氷結が良い!短いですが、秩父でⅥ~Ⅵ+の氷柱が味わえますよ?

【フィールド情報】

埼玉県秩父市中津川 中津川渓谷

中津川アイスロード

ルート名:キングダムハーツ(仮)

ピッチ:2ピッチ(約40m)

グレード:Ⅵ~Ⅵ+

1P:70〜85度 20m(Ⅳ+)

2P下部:氷柱 10m(M6 or Ⅵ〜Ⅵ+)

2P上部:段瀑 10m(Ⅳ〜Ⅳ+)

〈核心部の詳細〉

・左 (M6?):ドライ→ベルグラ→薄氷・氷柱

・右 (Ⅵ or M6?):氷柱裏MIX→氷柱を周り込んで乗り移り→氷柱登攀

・中央(Ⅵ+):氷柱オーバーハング→氷柱

※令和4年2月27日時点の状態。シーズン・氷結状態にて変動あり。

(推奨装備)

・スチールスクリュー × 10本程度(10cm、13cm、16cm、19cmスクリュー推奨)

・ダブルロープ

終了点は灌木を利用。右岸を登って回り込む事が可能。右(左)岸の灌木にトップロープのセットが可能だが、その際は左(右)岸側灌木に誘導支点を作成した方が登攀はスムーズ。

核心部である2P下部は、不純物を多く含む雪解けが氷結した脆い氷柱。左・中央・右と3つのラインが取れるが、左右はミックス、中央は氷柱のオーバーハングと難易度は高い。核心部の登攀距離は短いがどれも刺激的な登攀を味わえる。

【活動記録】

令和4年2月27日(日)

メンバー:隊長(吉田)、デクさん(松永)、まちゃあき(Zaki)

奥多摩・奥秩父アックス登攀部隊の通称「部活」

この日は、中津川林道の落ち葉と積雪によるデモが依然として続いていたため、また中津川アイスロードの奥地へ行くにはアプローチに時間を無駄に費やしてしまうということで、起点からわりと近い「キングダムハーツ」の今年の氷結具合を確認へ。まぁ、あわよくば「登れないかなぁ…」という期待を胸にいっぱいに抱いていたのですが。

普通に沢を遡行していくのです。
 F1かどうかわかりませんが、おひとつ滝を越えると何やら怪しい影が見えてきました。

そして、キングダムハーツの場所へ到着。

むむむっ!下まで繋がって…るの?

昨年に比べると氷結は良いし、何だか今夜はイケそ…じゃなくて、登って行けそうな気がする。

下から遠目で見ただけですが…

ともあれ、とりあえず下部のナメ滝をフリーで登り状態を確認する事にしました。

「行けんじゃ…ね?」と、スカートの中でも覗くように、取り付きから舐め回し観察する隊長。

そして、取り付きに到着し更に状態を確認。

さっきより上がったところで見ると、まぁ悪そうだこと(笑)

隊長に「どうします?」と聞くと、「とりあえず見てみよか。」と。

氷柱状にはなっているけど…「観賞用じゃね?」という、美しくも繊細で華奢な女性の様な氷柱。

正直、「この状態で登るのはちょっと…」という感じであったし、また、ここ最近不運続きにアタシ(まちゃあき)には「また、何か事が起きる…」と危険予測し、丁重にリードは辞退さていただきました。デクさんも「これは…リーム―✖」という感じリードを辞退。

すると「ほな、俺行くわ」と隊長。

いや、だからさ「惚れてまうやろー!」

相変わらず、カッコイイ隊長です。

自分が女性だったら抱いてもらいたいですね、それぐらい勇ましく格好良い隊長なのです。

奥さんが羨ましい!

「やるだけやってみるわー」とTake off し行ってしまった。

1ピッチ目:70〜85度 20m(Ⅳ+) 程度の氷壁。

ここ、実は見た目より立っているんです。人間の目の錯覚って怖いですね~

しかも、融けた水が再氷結し不純物も交じって、甚だしく糞氷、スクリューも刺さり辛いです。

アルミスクリューなんぞ打とうと思った暁には、中津川の神に門前払いをお見舞いされますのでご注意を。

氷柱基部に到着してスカートの中を覗く隊長。「痴漢よー!誰か通報してー!」
中津川は電波が届かないので、色々な意味で、何か事が起こった時にはご注意を。
隊長のビジョン、氷柱のスカートの中を盗撮したご様子。悪いですねぇ~(トップロープ時に撮影)
いや、よくこんなん行く気になりましたね、隊長。(トップロープ時に撮影)

「氷柱裏からMIXで行くしかないかぁ~」と裏側へ消えていった隊長。

裏側は、誰が見ても認めてしまう糞さ。

長めのスクリューを下部で使ってしまった隊長は、主力武器である「10mm Parabellum bullet(パラベラム弾)」と「13mm Hollow point bullet(ホローポイント弾)」で応戦し、裏の岸壁をドライ交じりで直上していきました。よくその装備で戦おうとしましたね、伝説の傭兵ですか?

隊長のビジョン。よくリードで行ったな、マジで。(トップロープ時に撮影)
こりゃ、スクリュー打ち込む場所もかなり限られてますぜ?

表側へ回り込めそうな場所までじりじりと詰め上げ、そこで2発ほど弾丸(※10cm、13cmスクリューの事です。)をぶっ放した。回り込む前に固め打ちをして、安牌きって弾幕を張ったわけですね。

裏側の糞氷どもに弾丸をお見舞いし、表へ回り込んできた隊長。流石、伝説の傭兵は訳が違うぜ!

さぁ、いよいよ核心の核心。隊長が氷柱の裏から出てきました。その瞬間は、デクさんと一緒に歓喜しましたね。本当、格好良過ぎでした。股間の当たりが何だか熱くなりましたね。

氷柱へ乗り移った!カッケぇぇー!!だが次の瞬間…

瞬間最高視聴率をが撮れるであろう、氷柱への乗り移り・表への回り込みの瞬間であったのですが…

「だ、駄目だぁ…!」

「表面の氷が、信用ならねぇ…」

と、ここで巻き戻し・逆再生の如く、Uターン。

(………どうしたんですか、伝説の傭兵さん?ここで怖気づいてしまいましたか?)

いえいえ、氷柱の表に出たところで危険を察知した伝説の傭兵は、命に代わるものは無いと瞬時に判断し戦線を離脱したのですね。

※この後、トップロープ時に表の氷の状態を良く確認しましたが、雪解け水が不純物を含み再氷結したグズグズの更に糞氷でした。

残りの弾数も10cmパラベラム弾3発と相当厳しい戦いが予想されたため、ここで離脱するのが正解ですね。流石伝説の傭兵です、その見極めも超一流?

そうそう、安全が一番、また状態が良いときに挑戦すればよいのですよ。

ということで、スクリューを残置・ロワーダウン離脱。無事に戦線を離脱しました。

その後は、右岸・高巻いてトップロープを設定。隊員たちで皆で糞氷を味わいました。

今度は白兵戦ではなく、トップロープの後方支援もあるから思い切っていってくださいよ隊長!

隊長のリベンジ。普通に一撃で突破。
デクさんも普通に一撃で突破。
まちゃあきは、中央オーバーハングに挑むも、初回は氷柱というスナイパーに撃ち抜かれ砕け散った。
1フォール後、何とか突破。
中央オーバーハングを下からみた様子。
足の置き場に難儀…片足とスメアリングとのカウンターでフィジカル勝負、普通に難かったですよ?

その後は、時間まで皆でトップロープで遊んで楽しみました。秩父の糞氷様で十分満足・楽しめちゃったので、ここいらで帰還です。

九十三四郎滝の確認は、また来シーズン以降ということで!

クライムダウンで、キングダムハーツ下まで戻ります。

秩父の氷は。糞氷な分だけ駆け引きやスリリングといった、違った意味で楽しめますね!

We love fucking ice ♡ in 秩父。

いや~、遊んだ遊んだ♪

来た道を戻り、戦車の駐車ポイントまで帰還。

これで、無事に今シーズン部活動(登攀は)終了です。

うぇーい👍 今シーズンお疲れさまでした~。今日は何で小指でタッチ?

今シーズンは、実に色々なエピソードがありましたね~。

昨シーズンのリーダー(Goriさん)の負傷に始まり、一時的復活、からの再入院、手術と…

(ってリーダーの話ばっかやん!w)

昇天の氷柱?から始まり、雲竜渓谷・鉄鉱泉滝の冬季初登攀、昨シーズンに残した秩父アイスの回収、南アルプス・夢のブライダルベールと、カルピスの原液の様な、濃ゆ~いシーズン活動でした。

いや~皆さん、本当に有難うございました。マジで楽しく充実した時間でした。
中津川帰りは勿論、悦楽園!今日は「もつ煮定食」に「味噌ラーメン」を付けちゃったZe!

たまちち2年目、まだまだ発展途上でならず者の集まりですが、とても楽しく素晴らしいチームです。

この先、どんな冒険やストーリーが待ち受けているんでしょう。実に楽しみにですな~♪

皆さんも、乞うご期待を!

冒険は続く…