【アイスクライミング】和名倉沢大滝

【アイスクライミング】和名倉沢大滝

今日も今日とて

さて、今日も和名倉沢である。

沢の奥深い地点で息を潜めている大滝だが、実はアプローチ道中に偵察できる場所があることを山葵滝の時に発見していたわけである。

2/1のランナウェイには「ついでに和名倉沢大滝の偵察をしよう」という目論見があった。

{アプローチ道中、こんな感じで見える}

そんなにしっかりと偵察できるわけではないが、なんとなく凍ってそうなことが確認できたが、細部の状況はわからず、登攀可能と確実に言えるものではないが、「秩父ってそんなもんだし・・・」ということでこの日に決行することにした。

冬季・和名倉沢本流

メンバーは俺、隊長、パイチェン。

アプローチは今シーズン何度も歩いたため、もはや慣れた道・・・のはずだったが、一本目の涸れ沢のだいぶ下に合流してしまい少し時間をロスする。うーん、やはりそんなに簡単ではないな。

{石津窪を越える}

一度山道(仕事道?)に合流してからは比較的明瞭な踏み跡となるが、氷谷を過ぎると途端に不明瞭かつ荒れ道となる。

この踏み跡は大滝下の通らず基部まで繋がっているのだが、うまく道が拾えず、無理に探しても時間が無駄なので、沢が大きく左に曲がる所で沢に降り、沢沿いを歩くことにした。

沢に合流してから1時間ほどで通らず基部へ。

{通らず下}

通らずの釜、そして通らず自体も、氷結は甘いが凍っている。大滝はまだ見えない。

ここでアイゼンを装着し、通らずを直登する。

夏はつるつるの沢床で、水流も多く、とても登れたものではない「通らず」だが、冬にはアイスクライミングで簡単に登ることが出来る。こういうところがアイスクライミングの趣きの一つだ。

和名倉沢大滝

さて、大滝に到着。

流芯はガンガン流れているが、周りはうまく凍ってくれている。

「これは登れる(たぶん)」

やはり不穏なのは落ち口だが、まあなんとかなるだろう。(アイスクライミングでは一番ダメな思考である)

パイチェンのドローン撮影を待ってから、ジャンケンで登攀順を決める。

{やはり空撮はカッコいいね}

レッツ・クライミング

P1:ゴリ

ウロコにフッキングを多用し、特筆することもなく中間部のテラスでピッチを切る。

P2:隊長

上部は氷結が悪く、プロテクションの位置も限定されるが、決して難しいクライミングではない。

上に抜けてからなんかワーワー騒いでいるが、とりあえず一段落したようなのでフォローで追いかける。

上部ではまさかのボディビレイ・・・。

なんでも立木まで行こうとしたら釜に落ちて胸まで水に浸かり・・・ということだったそうだ。

{隊長が踏み抜いたお釜}

それでワーワー言ってたのか・・・。やっぱりトランシーバーって大事ね。

パイチェンのフォローを待ちながら釜を高巻き、懸垂で釜を超える算段をつける。

そう、大滝登攀はあくまで手段であり、その先を見るのが今日の目的だ。

{高巻きも簡単ではない}

その先へ

釜を超えてすぐ右岸から合流する沢に10m程度の氷瀑を確認し、「これが船小屋窪沢か?」なんて思ったのも束の間、その先5分くらいのところに

いた!

でけぇ!

なるほど、確かに60mあるわ。

さらに先に進み、30分程で「和名倉沢上流の滝」へ。

直瀑と聞いていたが・・・これは、登らなくていいか・・・

時刻も14時を回っており、これ以上クライミングに欲を出すと下山が苛酷になりそうということで、船小屋窪沢の大滝の基部でちょっとはしゃいで帰路につくことにした。

{記念撮影}

途中、神に出会う

一部の滝マニアには「和名倉沢大滝」「船小屋窪沢大滝」「和名倉沢上流の滝」の3本が撮影の対象とのことで訪瀑したが、実際にどういう形状か、写真としてではなく、アイスクライミングとしての趣きがあるかは実際に見てみないとわからないもんだ。

次回は船小屋窪沢の大滝を登り、今シーズンどっぷり浸かった冬季和名倉沢の冒険のフィナーレとしたい。