大洞川・氷谷・山葵滝アイスクライミング

大洞川・氷谷・山葵滝アイスクライミング

登攀記録概要

日付

2023年1月8日(日)

メンバー

  • ゴリーダー
  • マチャアキ
  • パイチェン
  • デクノ・ボウ(記)

主な装備

  • 各自アイスクライミング装備一式
  • 各自渡渉用ゴム長靴(途中デポ)
  • 60mダブルロープ2本
  • 撮影機材(カメラ、三脚、ドローン等)

これまでの経緯

ゴリーダーの単独調査の結果、和名倉沢の支沢、氷谷に登攀対象となる氷瀑「山葵滝」があることが分かった。今回はチームメンバー4人で獲物を狩りに行く山行である。

調査記録はこちら参照

近くて遠い。劣悪なアプローチ

三峰観光道路~出合まで

ゴリーダー宅に前泊したパイチェン、デクノ・ボウ。明朝マチャアキと合流し、4人パーティーで今回の旅は始まった。空が明るくなる頃に大洞川へ入っていく。

序盤は写真に残っていないが、冷たい川の渡渉がある。ここはゴム長靴を履いて渉る。その後は登山靴に履き替え、ゴム長靴をデポ。そして、急登の始まりだ。

朝から表情に陰りを見せるデクノ・ボウが登りで失速。明らかに状態がおかしいということで、引き返すかどうか審議が入る。

結果、デクノ・ボウの装備を一部マチャアキとゴリーダー(※身体障害者)が分担することになり、続行判断。

三峰観光道路を歩き始める
登山道から氷谷へ

氷谷入渓~山葵滝

約2時間で氷谷の入渓地点へ到着。ここからは巨岩がゴロゴロ転がっており、冬期の沢登りになる。小さな渡渉はジャンプでかわし、小さな岩壁は攀じ登る。1箇所だけ、リスキーな岩壁があり、そこでロープを出した。

事前に調査しているゴリーダーの情報もあり、ここまで無駄なくスムーズな行動と判断ができている。これまでの試行錯誤があってこそ今日の行動を実現できている。

入渓ポイント
このあたりから大きい岩がゴロゴロ出現
ゴリーダーの調査報告資料にも出てきた岩がこれだ
ロープを出して、安全第一で通過
ゴーロ帯を歩く
行動開始約3時間半でようやく見えてきた

そして、登攀へ…

いよいよ姿を現した山葵滝。秩父の滝とは思えないほどしっかり氷結している。

もはや言葉に言い表すことが難しいほどに儚く、脆く、尊い。そして美しい氷瀑だ。ここに辿り着いただけで一定の達成感があり、登らせてもらうこと自体はオマケ要素にも思える。

参考程度の情報になるが、高さは30~40m程。傾斜はやや緩めだが、なかなか迫力のスケールだ。アイススクリューは10本もあれば十分だろう。1月上旬でここまで氷結していたことに驚きだが、おそらく今シーズンは出来がいいと思われる。

さぁ誰が先にリードするかジャンケンで決めよう…なんて展開にはならず、満場一致でゴリーダーに決定。このプロジェクトの起案者にして、調査に時間を費やした功労者。今回は撮影メンバーもいるので、さぁ楽しんでくれ。

定点カメラをセット。ドローン撮影も行います
マチャアキ監督の指示が入り、登攀前の後ろ姿を撮影
登攀開始
楽しそうに登るゴリーダー
フォローでパイチェンも続く
デクノ・ボウはリードでトライするが、途中でアイゼンが外れてリタイアするw
計4回アイゼンが外れるという整備不良。まさに木偶の坊
マチャアキが回収。上から撮影の図

初登なのか?という問いに対して

今回の山葵滝のアイスクライミングに対して、初登者がゴリーダーになるのかどうかは不明である。もちろん、その可能性もあるのだが、登ったという記録を発表できればそれで充分というのがチームの総意となった。(もしこの滝について情報を持っている方がいればぜひご連絡ください)

さて、存分楽しんだ後の帰りが長い

登攀を楽しんだ後、すぐに下山の準備。行きと同じ経路をたどる約3時間半の工程だ。リスキーな個所はできるだけ暗くなる前には通過しておきたい。今後も氷谷に行く場合は、時間管理はシビアになりそうだ。懸垂下降は1箇所のみ。渡渉はデポしたゴム長靴にて。最後の登り返しが体力的にキツイが、歌えば楽し。

懸垂下降ポイント
渡渉ポイント
今回は約10時間半行動。お疲れ様でした

氷谷の更なる可能性

今回、登攀した山葵滝であるが、その先に更なる獲物の存在を確認できた。なぜ、この谷が「氷谷」と名付けられたのか気になってはいたが、何となくその由来を感じさせる光景が目に入った。

もしかしたらこの谷は途轍もないポテンシャルを秘めているかもしれない。氷谷の続編は乞うご期待。

今回、登攀した山葵滝はこの氷谷とほんの一部に過ぎない